たまには狭い画面で仕事をするのもいい
仕事が出来る人たちを見ていると、 やたら沢山のモニターを使いこなしている。 しかも、1080p のフルHD ではない。 WQHDや4Kといった高解像度のモニターに ぎっちり情報を詰め込んで、 それらを同時に処理している。 しかも、ウィンドウマネージャーを使って 1モニターにアプリを3つも4つも表示させている。 真ん中の画面で資料を作っていると思ったら、 右のモニターでメールを返信して、 今度は左のモニターで調べものを始める。 …カッコいい。
私も新社会人の時は それが出来る大人なんだと信じて疑わず、 モニターを3枚使って仕事をしていた。 私はプログラマーだったので、 プログラムが沢山表示できるといいと思い WQHDのモニターを縦にして使ったりもしていた。 真ん中のモニターでプログラムを改修して、 右のモニターで動作確認をする。 動いたら、左のモニターのチャットで 完了報告を行う。 なんてスマートな働き方。
…と思っていたのだが、 2年ほど経ち、このやり方じゃ全く 集中できないことに気が付いた。 余計な情報が入って来過ぎるのだ。 新しいチャットや、 調べものをしていた記事の中身が気になって、 作業を中断していることが多いことに気づいた。 だいたい、使いもしないチャットアプリを なんでモニターに常駐させる必要があるのだろう。 使う時だけ、ウィンドウの裏側から 引っ張り出してくればいいのだ。
ある日、その事実に気づいて、 13インチのノートPCだけでプログラムを書いてみた。 確かに、必要な情報が一画面に表示できないので、 色んなウィンドウを行ったり来たりするのだが、 それ以上に余計な情報がないので、 作業を邪魔されない方が、 より良い効果をもたらした。 こっちのほうが仕事が早く終わるのだ。
私は現在、基本的に 27インチのモニター1枚で仕事をしている。 どうしても、調べものと同時進行で プログラムや資料を作るときだけ、 デュアルディスプレイにする。
それどころか、私はよくブログの記事を スマートフォンで書く。 そうすると、PCで書くときよりも 上手く書けるときがあるのだ。 PCの画面だと、最初の文まで全部を見通すことが出来る。 そうすると、「なんだかこの表現が変だな」 と気になって、直したくなって、ちっとも 文章が前に進まなくなることがある。
それどころか、ブログのプログラムで もっとよくできる所に目が行って、 記事そっちのけでプログラムを書いたりしてしまう。 スマートフォンだと、プログラムを書くことが物理的に出来ない。
締め切りが迫った作家が、他のことが一切できないよう、 旅館に泊まって作品を仕上げるということをよく聞くが、 なにも居る場所を変えなくても、 視野を狭めるだけで似たようなことが出来るんじゃないかと 私は思っている。
時には意図的に視野を狭くした方が仕事が進むときがあるのだ。 特に、ひたすら前に進む必要があるときは、 意図的に視野を狭めること考えるといいのかもしれない。